庶民の時代の生命保険制度へ

庶民

このように生命保険制度はイギリスで育って来ました。

 

時は流れて19世紀。

 

19世紀のイギリスと言えば産業革命です。

 

産業革命は庶民の生活形態に大きな変化をもたらしました。

 

労働者が都市部に移行し、給与所得生活者が急増すると、 彼らの死後の家族への生活保障が必要となって来ます。

 

それまでの生命保険は資産家や牧師のような限られた階層のものでしたが、 この時期にロンドンの労働者が、少額の保険料での保険を作って欲しいと言う要求を出しました。

労働者向け保険の開発

これを受けたのはプルデンシャル生命でした。

 

当初の労働者の目的は葬儀費用を賄うことでしたが、プルデンシャルによって、 少額・保険料建て・週払いの労働者向け保険が開発されると、 一時期はイギリスの世帯の三分の一が、プルデンシャルと生命保険契約を持っていました。

 

ということは、当時の庶民にとって自衛手段としての生命保険が、いかに重要であったか ということの表れであり、ここに、現代社会においての生命保険のあり方が出来上がりました。

日本の近代生命保険

さて、19世紀は日本でも明治維新を迎え、1868年に福沢諭吉が近代生命保険を紹介しました。

 

しかし、「日本では人の命で金儲けをするのか」という誤解がもとの批判が最初になってしまい、普及には時間がかかります。

 

しかし、生命保険の必要性を見極めた知識人達の努力により、現在に繋がる 生命保険会社が、多くの試行錯誤の上に設立されて行きます。